セブンスジェネレイションズ
日々診療していると、いろんな患者様がいらっしゃいます。中には自分の考えや意見通りにならないと怒ってしまったり、応急処置しか希望されないといった偏った考えの方も見受けられます。きちんとした医療を提供するためには、なんとか説明し、理解を得るしか無いのですが…そのような方は説明しても納得されず、次回から来なくなることが多いようです。もちろん中には考えを入れ替えてしっかり予防を実行されている方も大勢いらっしゃいますが。
今回はそのような自己中心的思考と相反する「セブンスジェネレイションズ」という言葉を紹介したいと思います。
これは、ネイティブアメリカンの考え方で、7世代先の子孫たちのことを考えて生活するということです。つまり、代々受け継がれてきた思想を次世代にしっかり伝え、ライフスタイルを守り、地球と共存していくことが重要とされています。彼らの考え方としては、地球や自然が偉大なものであるという認識が根底にあり、人間は他の動物と同様にそこに住まわせてもらっているという感謝の気持ちを常に持っています。そして、彼らの生活様式はとても慎ましいものであり、決して豊かではありませんが、人々の顔はとても勇ましく誇りに満ち溢れています。
現代では、いろんな環境保護団体や伝統的な猟などに反対する動物愛護者がいらっしゃいますが、いったいどんな家に住んでいて、どんな生活をしているのか聞いてみたいものです。心から環境を守りたい、動物を絶滅から救いたいと考えていたら、ネイティブアメリカンのように慎ましく生活し、その素晴らしさを世に広めていくことが当然だと思います。
それを阻止しているものが、大企業による利益優先主義やメディアなどの放送業界、金融産業や戦争ビジネスなど、目先の利益を追い求める仕組みです。食品産業や農業・牧畜ですら健康のことは棚に上げて、販売優先の商品を作り続けています。人口の大半がそのような仕事についているわけですから当然、7世代先の事など考える余地はありませんね。
子孫のことを考えると言っても、せいぜい孫世代まででしょうし、環境や社会のあり方よりも、いかに資産を残すかどうかしか考えないでしょう。ましてや、未婚者に限っては自分が良ければ次世代で戦争が起きようが、地球が滅亡しようが関係ないわけです。
そもそもこの7世代とは何が基準なのかというと、子どもの世代(2世代)では自分の血は50%、孫の世代(3世代)では25%という具合に計算すると、7世代では1.5625%となり、8世代では1%を切ります。つまりほぼ赤の他人となるわけです。赤の他人でなければ家族ですから、そこまではしっかり考ようとする姿勢は愛に溢れていて、地球上でも人間だけがもつ素晴らしい能力だと思います。
しかし、先住民族では基本的に10代での妊娠・出産が多いため、平均出産年齢が30歳を超える現代とは、世代の考え方も当然異なるでしょう。つまり、現代で言う7世代先では200年以上先の話ですが、ネイティブアメリカンにとっての7世代はおよそ100年前後先の話になるわけです。ですので現代に当てはめて考えると少なくとも3世代あるいは4世代先の子孫たちが幸せに暮らせることを考えながら、私たちも生活しなければならないのですが…そのためには私達人間自体が地球のガン細胞であることをよ〜く自覚しなければいけないですね♫