口呼吸
オーラルクリニック宮崎台では毎年、上の階の保育園の歯科検診も行っているのですが、口がポカーンと開いている子の多さを懸念しています。話を聞いているときもポカーン、テレビを見ているときもポカーン、運動しているときでもポカーンと口が開いていて、集中力がなかったり多動が目につく子は決まって口がポカーンと開いています。
最近の免疫学では、病気にならないための3つのポイントが話題になります。「体温を上げる」「しっかり睡眠をとる」「口呼吸をしない」の3つですが、なかなか意識しても治らないのが口呼吸です。なぜなら、動物は生まれたときから呼吸をしていて、幼少期(だいたい2~3歳)に口呼吸が定着してしまうからです。ちなみに動物の中で口で呼吸をするのは人間だけだし、世界的に見て口呼吸の人の割合が高いのは日本だそうです。
予防とは、問題の根本を断つことなので、病気にならないための根本である免疫を高めるためにはなんとか口呼吸を鼻呼吸に戻さなくてはならないのですが、これがけっこう大変です。私が患者に指導する際は、食べる時に口を閉じてよく噛んで食べるよう指導します。コツとしては箸置きを使うことで、一口につき箸を一回置いてよく噛む習慣にすることや、「ありがとうございます」と心の中で唱えながら一文字につき一回噛めば2~3回繰り返すだけで20~30回噛むことができます。
口を閉じて噛むということはその間鼻で呼吸をしなくてはならないので強制的に鼻呼吸となる作戦なのですが、なかなかうまくいきません。それは、口呼吸の人の食事にも問題があって、そういった家庭ではあまり噛まなくても良い料理が並ぶことが多いからです。また、数日間の食生活を記録してもらい評価してみると、決まって麺類が多かったり、柔らかいおかしをたくさん食べていたり、詳しく話を聞くと食べ物をお茶で流し込んだりしていることも多いようです。
最近では、子供に対して矯正に使うマウスピースのような装置を使用して無理やり鼻呼吸させるようなこともしていますが、なかなか良い結果は出ていません。そもそも口呼吸の人は顎骨の成長が劣るため歯列のアーチが狭く歯並びが悪いことが多いです。結果、矯正治療も必要になってきます。
結局、口呼吸を治すためには、自分で口呼吸を自覚してしっかり意識するしかないのです。そして食べ物をよく噛んで食べること、噛み辛ければ矯正治療で機能的なかみ合わせに治すことも重要です。そして矯正治療はかみ合わせを重視してくれるところを受信するようにしましょう!!ちなみに石ちゃんは「カレーは飲み物」と言っていますが、カレーもよく噛んでたべましょうね♪