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太るワケ①

太る人はなぜ衝動を抑制できず、過食してしまうのでしょうか?そして運動をしないのでしょうか?それは、意思が弱く努力しようとしない、あるいは単に何をすべきかに気づいていないからです。
アメリカで最も著名な肥満の権威であるミシガン大学のルイス・ニューバーグはこう述べています。『太った人たちは、「わがまま、無知などの、さまざまな人間の弱さ」に苦しんでいる。』
しかし、太っている原因をはっきりと理解し、それを除去しようとする意思があればそんなに難しいことではないと僕は考えています。欧米に行くと信じられないくらいに太った人を見ることが多々ありますが、そういう人は自分の体型をどう思っているのでしょうか?結局のところ、自分をどうしたいかは自分次第ですし、痩せたくなければ痩せなければいいだけのことですから。でも、ほとんどの人はスマートな体型でいたいですし、おしゃれもしたいのではないでしょうか?

興味深い実験があるので紹介しますね。1970年代にマサチューセッツ大学の研究者ジョージ・ウェイドらは、ラットの卵巣を摘出し、その後の体重と行動・性ホルモン・食欲の関係について研究を行いました。卵巣を除去するとエストロゲンも除去された状態になります。まず、体の脂肪細胞が大きくなる(太る)のはリポ蛋白リパーゼ(LPL)という酵素に血中の脂肪がくっついて細胞内に取り込まれることによります。そしてエストロゲンはLPLに作用して血中の脂肪が取り込まれるのを抑制します。つまりエストロゲン(男性ではテストステロン)がないと脂肪細胞はどんどん脂肪を取り込み肥満になるというわけです。これは、卵巣の摘出や閉経後の女性にも結びつけることができます。
ウェイドらは自然に太るように仕込んだこのラットを使って肥満のメカニズムを研究したのです。
第一の実験ではラットに餌を無制限に与えたところ、当然のようにラットは瞬く間に肥満になりました。
第二の実験ではラットに厳格な食事制限を行い、卵巣摘出前と同量のエサのみを与えたところ、ラットは完全に動かなくなり、食べる時だけしか動かないため(運動不足のため)速やかに肥満になりました。これは太るために余計なエネルギーを使わないようにするための行動でした。
これらの実験が示すことは、ラットは過食により太るのではなく、太るために過食をするということでした。つまり、より太ろうとする衝動により過食と怠惰が引き起こされたのです。

実は、肥満とは身体が太る方向に向かっているために生じてしまう現象なのです。では、その太るスイッチを入れるのはいったい何なのでしょうか?その原因を排除できれば、簡単に痩せられるはずです。続きは、長くなりそうなので次回にしますね。

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