子供の予防歯科⑤
ブログの更新も夏バテ気味になってます。
でもこれはどうしても伝えなければならないので、這いつくばりながら書きます。
先日、保育園の歯科検診をおこなったところ半数以上の子供に歯列不正・骨格の発育不良を認めました。乳歯の先天欠如や癒合歯(2本の歯が合体して1本になっている)も数多く見受けられました。そして、噛む位置が安定しない顎の筋力がとても弱い子や、口がポカーンと開いたままの子など。正常といえる子はごくわずかでした。これは危機的な状況だと思います。
歯列不正の原因は前にも書きましたが、ひとつは、妊娠前の両親の生殖機能の状態(栄養状態)、妊娠中・授乳期における母親の栄養状態です。そしてもうひとつは、子供の咀嚼のしかたです。
食べ方で歯並びに影響があることは一般的にはほとんど認知されていませんが、現在では矯正歯科をはじめ、子供の口の周りの筋肉を活性化するための指導を行うクリニックも増えてきています。
そもそもが、アボリジニーのようにカンガルーなどの硬い肉を全身を使って一生懸命食べるような食事であれば、そのような子供達が増える心配はありません。
しかし、一般的に子供達が口にするモノは、白米・パン・麺類・ハンバーグやコロッケなどの加工食品・スナック類など柔らかいものが多く、そこまで一生懸命に食べる必要がなありません。親も当たり前のように子供に軟食を食べさせようとします。ここに大きな問題があります。
何のために食事するのか?
それは、生きるためです。
本来、食事は神聖なものであり、命を捧げてくれた食材や、美味しく料理してくれた人に対して感謝しながら食べるものです。ですから、食事は一生懸命に行わなくてはなりません。遺伝子組み換え作物や食品添加物・砂糖がたっぷりと入ったおやつはたくさん食べるのにご飯は食べないとか、もはや正気ではありません。
そんなにご飯が食べられなければ、3食も食べる必要はありませんし、おやつも食べる必要もありません。そもそも1日3食というのは食品メーカーなどの利権によるプロパガンダですから、2食だとしても全く問題はないのです。そうすれば本当に空腹を感じて、食べ物に感謝しながら一生懸命食事するはずですよね?
そこに重要な要素は、親も一生懸命に食べることです。テレビを見ながら、新聞を読みながら、携帯をいじりながら。。。子供は全部見ています。そして、食事を義務のようにルーティン化したり、子供がなかなか食べないから怒ってばかりではありませんか?そうすると子供はどんどん食に対する興味を失っていきます。
「一生懸命に食す」ということをしっかりと子供達に伝えるためには、やはり親の知識も必要になります。食材などももちろんですが、正しい食べ方(噛み方)を理解しているでしょうか?そして子供の食べ方が正しいかどうか判断できているでしょうか?これらを判断するためには口の周りの筋肉を観察するとわかってきます。実はこの正しい食べ方が、子供の発育には非常に重要なのです。正しく噛んで、筋肉や骨格を刺激して成長を促す。姿勢や噛む回数、リズムなども重要です。
次回は正しい食べ方についてです。皆さんも、ただ食べ物を口に入れて飲み込むだけの感動のかけらもない食事はくれぐれもしないようにしてくださいね♪