子供の予防歯科
皆さんは歯科医院にどのようなタイミングで行くでしょうか?虫歯ができたから?痛いから?詰め物がとれたから?メインテナンスのはがきが届いたから?もし症状が出たから行くというのであれば、それは大きな間違いです。
『虫歯になったら削って詰める』はもう過去のもの。
歯は一度削ってしまうと後戻りができません。そして削った歯は弱くなり、再びトラブルの原因になります。
そのための予防歯科であり、虫歯ができない環境を整えてあげることが重要なんです。
ちなみに当院ではフッ素を一切使用しません。その理由は以前の記事を参照して頂くこととして…
子供に虫歯ができるのは子供のせいではありません。生活習慣や家庭環境によって引き起こされているからです。つまり親(おじいちゃん、おばあちゃんも)をはじめとする周囲環境の責任なのです。
子供に虫歯を作って連れてくる親の中には、殆ど罪の意識が感じられない人がいます。なぜなら、虫歯が自然に出来たと考えているからです。そして、本気で予防しようと試みたわけでもありません。そういう親に限って「歯磨きを嫌がって…」とか「お菓子が好きで…」とか言い訳をしたがります。最たるものは、子ども自身のせいにする親もいます。
火のないところから煙は上がりません。
虫歯をはじめ、様々な慢性疾患には必ず原因があります。その原因を可能な限り排除することが最も効果の大きい予防策です。しかし知識がないと、気づかぬうちに原因を生じさせて病気を作り、子供の将来に影を落とす事になります。CMを鵜呑みにして、メディアに洗脳されて、流行りに飛びつき、勧められるがままに商品を購入する。みなさんの中にも、アイドルやタレントがCMをやっているのを見てその商品をなんとなく購入した経験がありませんか?その手にとった商品は本当に安全なのか?有害物質は入っていないか?食品添加物は?遺伝子組み換え作物が原料になっていないか?そしてどんなものを食べれば健康になれるのか?本当に家族や子どもや自分の健康を考えて行動できている人はごくわずかだと思います。知らないからやれないのではなく、本当の健康に対して興味すら持っていないのが現実です。
話がそれましたが、日本人は戦後から西洋の食事を積極的に取り入れるようになりました。それにともなって虫歯や不正咬合が増え続け、今や95%の人が口の中に問題を持っていると言われています。何が原因かはなんとなくわかりますよね?
僕は虫歯をつくらないということが、当たり前の世の中になるといいなと常々考えています。
そのためには、みなさん一人一人がしっかりと物事の原因を把握し、正しい知識を持つことが必要です。
しかし、あまりに意識しすぎてノイローゼになってしまってもしょうがありませんし、生活習慣はそう簡単に変えられるものでもありません。夫婦間の認識の違いも障害となるでしょう。ただ、時間と子供の成長は待ってはくれません。改善するならなるべく早い方が良いのです。ですから親たちには子供を守るための知識を得る努力をしてもらいたいのです。可能であれば妊娠する前から未来の子供の成長発育のことを考えたケアをしてあげられると理想的です。これについてもまた説明しますね。
さて、話を虫歯予防にもどします。
虫歯をつくる原因を挙げてみると以下の3つに分類できます。
・砂糖の摂取
・栄養不足による発育不全と免疫の低下
・口腔周囲の筋力の低下
です。全く関係ないようなものも含まれていますが、非常に重要な原因なんです。
プラークコントロールも大事ですが、細菌の状態は個人差が大きく、常在菌として口の中に居続けるものなので今回は原因には含めていません。もちろん細菌的な要因もリスクを評価して個人個人で対応していく必要があります。
次回からこれら3つについて説明していきますね〜。