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抜歯する?しない?

抜歯する?しない?

患者の治療計画を立てる上で、どうしても抜かなければならない歯や、どうしても残さなければならない歯など、様々なケースに日々遭遇します。

中にはどうしても残せない(ホープレス)なのに、心理的にどうしても抜きたくないという人もいます。

治療は同意無くおこなえないので、そのような患者に対して治療することありません。

いくら説明しても同意が得られない場合は、患者の気持ちが変わるのを待つか他をあたってもらうしかありません。

 

僕は今まで15年歯科医療に携わってきて、様々なケースを見てきました。

その中で気づいたことは、なぜ今の状態に至ったのかを考えることなく治療されている人がめちゃくちゃ多いということでした。

どんなにうわべを取りつくろっても、根本が改善していなければ同じ症状を繰り返したり、さらに悪化させることになります。

なので今までの自分を振り返り、己を理解し受け入れてもらった上で、質の高い治療を受けて頂く予防歯科を志すことにしたのです。

その中でとても難しいのは抜歯するかしないかの判断です。

確実に抜歯するのは、虫歯が骨付近まで達している場合や、歯が割れてしまったとき、風が吹くだけで揺れるような歯がある時だけです。

それ以外には状況や患者の背景を参考にして判断します。

 

もし矯正して歯並びやかみ合わせを整えて、生活習慣を改善して、栄養状態も改善できて、ブラッシングの質を高めることができるのであれば、進行した歯周病でも十分に機能させ続けることができることも多いです。

抜歯の判断基準は日本歯周病学会により示されています。しかし、これらの判断基準には具体的で詳細な内容は示されていません。

また、海外ではAVILAらやMANDELらによってアルゴリズムが提唱されていますが、これらもある程度の参考になるものの絶対的なものではありません。

中には、完全に残せるような歯でも抜歯と判断してインプラントに置き換えることもあるでしょう。

しかしそれは、その先生が本気で診断してインプラントに置き換えたほうがメリットが有ると判断したのかもしれないですし、経営優先でそうしたのかもしれません。

 

僕もインプラント治療を行いますが、あくまでその人の健康寿命の延長と生活の質の向上のためにするのであって、CTだけでなく血液検査やメタトロンなど様々な面から精密な検査をおこなってからでないと行っていません。

日本では、抜かない歯医者がいい歯医者だとか、あそこはすぐに歯を抜くなどという評判を気にする人も多かったりします。

本当に患者が満足するのであればプラプラ揺れる歯でも残せば良いですし、多少もちそうだけどインプラントに置き換えて安心感を得るのも良いと思います。

ただ、なぜその抜歯の状況に至ったのかをしっかり考えてもらうことは、歯科医師としてとても重要な責任だと考えています。

本当は、そうなる前に考えるべきなんですけどね!

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