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根管治療はやっちゃダメ!②

前回からまた間があいてしまいましたが、続きです。

根管治療については、昔から色々な研究や議論をされています。

最も有名なものは、このブログにも度々名前が挙がるウェストン・A・プライス博士が90年も前に記した「DENTAL INFECTIONS」でしょう。

この書籍には、歯や扁桃に端を発した病巣感染に関する重大な研究が明らかにされています。プライス博士の説は、身体のどこかに存在する感染が、最初の場所から移動して、他の臓器で再び現れるというものです。しかも、心臓病をはじめその他の臓器に起こる疾患の90%が歯や扁桃から始まるというのです。

いかにも信じがたい内容ですが、プライス博士は何千回もの膨大な実験によりそれを明らかにしています。そもそもは、リウマチや内臓の疾患を持っている患者の根管充填された歯を抜歯したことにより、それらの疾患が改善することを発見したことが始まりでした。

それらの病気(退行性疾患)の原因が根管治療を行った歯であることをはっきりさせるため、患者から抜歯した歯を実験動物(ウサギ)の皮下に埋め込んで観察しました。すると、ほとんどのウサギは患者と同じ病気になることを博士は発見しました。

初めのうちはプライス博士は歯のどの部分に感染があるのか判らず、患者の病気が根管充填された歯から急速に移っていくことが判っただけでした。

その後、根管内にいる細菌を培養して、その細菌が産生する毒素を採取してウサギの体内に注射することでも患者と同じ疾患を再現できることを見出しました。

これらの実験を通して、プライス博士は心疾患、腎臓疾患、膀胱疾患、関節炎、リウマチ、精神病、肺障害、妊娠合併症など、ほとんどの退行性疾患がウサギに移りうることを発見し、そして抜歯後の患者の多くは快復することを証明したのです。

もちろん根管治療を行った歯が全て問題を生じるわけではありません。同じ条件で治療した人でも病気を発症する人もいれば、健康のままの人もいます。健康な人達は、身体を衰弱させるような負担(インフルエンザ、妊娠、授乳、栄養不良、劣悪な環境にさらされること、悲嘆、不安、恐怖、遺伝、年齢)を受けておらず、健全な身体防御機構をもっているからだとプライス博士は考えました。

そして、健康な患者からの細菌をウサギに接種してもウサギに病気の発生は認めませんでした。

ということは、長年にわたり根管治療した歯が問題を生じなかったとしても、年齢を重ねることにより免疫が低下し、病気の原因になってしまうことも十分に考えられますね。

これらの研究は25年にわたって実施され、1923年に米国歯科医師会の初代研究所長であるプライス博士の著書として残されました。

しかし、この素晴らしく重要な成果は、反対派(お金を儲けたい人達)の独断的な医師達により「証拠がない」とか「まだまだ研究が必要」などの理由により70年間も包み隠されることになります。なにせ悪い歯を全部抜いちゃうと、病気の人はどんどん少なくなってしまいますから、医療業界は商売上がったりですもんね。

プライス博士はその後、先住民族の食生活を調べて、「食生活と身体の退化」を著して、さらなる予防に対する啓蒙を行っています。いったいどこまで素晴らしい先生なのでしょうか?

話が逸れましたが、根管治療については、現代ではレーザーが使えたり、水酸化カルシウムやMTAが使えたりするので昔とは状況が異なってきています。しかし、保険点数の極端に低い日本では昔ながらの治療をやり続けている歯科医もいるでしょうし、Cohen先生の著した「Pathways of the PULP」も読んでいない歯科医が治療をしていることも海外では考えられないでしょう。

結局のところ、しっかり治療できるかどうかは運次第と言ったところでしょうか?そんな一か八かの歯科選びなんかやめて、一生根管治療しなくていいように、しっかり予防を考えてくれるところを探すべきではないでしょうか?

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