異性化糖
新年の抱負で僕がなぜ砂糖を嫌うかを書きましたが、今回は少し内容を掘り下げてみようと思います。危ない砂糖の話です。
砂糖(ショ糖、スクロース)はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が1つずつくっついた二糖類です。中でも果糖はブドウ糖の1.2~1.7倍の甘味があります。果糖はほとんどが肝臓で代謝されるため、ブドウ糖に比べ血糖値を上げにくい性質があります。しかし、余った分をトリグリセリド(中性脂肪)に置き換えてしまいます。そして果糖の代謝中間物であるグリセルアルデヒドから『糖化』の大きな原因であるAGEsをブドウ糖の10倍も産生させていまいます。
日常の中で果糖を摂取することといえば、果物を思い浮かべられるのではないでしょうか?果物には果糖が豊富ですが、ブドウ糖やショ糖、多糖類、食物繊維、水分も含んでいます。そしてよく噛んで食べることにより、唾液と混ざり分解されますので、大量に食べなければそこまでリスクは高くありません。むしろフルーツジュースの方がハイリスクといえます。
そして最も危険なのは異性果糖(ハイフルクトース・コーンシロップ)というものです。異性化糖とは、トウモロコシやジャガイモ、サツマイモなどのデンプンを酵素や酸により加水分解して得られたブドウ糖からなる糖液を、酵素又はアルカリにより異性化した果糖やブドウ糖を主成分とする糖のことです。
デンプンはブドウ糖から構成されていますが、ブドウ糖をより甘味の強い果糖に異性化させることによって甘味をより強めることができます。つまり、デンプンを酵素で糖化させた後、含まれるブドウ糖の一部を別の酵素で果糖に異性化させた工業製品なのです。
分類を以下に示します。
ブドウ糖果糖液糖:果糖の含有率が50%未満のもの
果糖ブドウ糖液糖:果糖の含有率が50%以上90%未満のもの
高果糖液糖:果糖の含有率が90%以上のもの
砂糖混合異性化液糖:上記の液糖に10%以上の砂糖を加えたもの
その特徴としますと、砂糖は冷やすと甘味が損なわれてしまいますが、異性化糖(主に使用されるのは果糖ブドウ糖液糖)は冷やすと甘味が増すため、清涼飲料水やドレッシング、ケチャップなどの調味料、アイスクリーム、パン、缶詰、焼肉のタレ、鍋の素、漬物にも頻繁に使用されています。ガムシロップはそのままですね。
頻繁に使用される1番の理由は、コストが安いことが挙げられます。(砂糖の7割ほど)それはとてもサラサラしているためタンクローリーでの運搬も楽チンにでき、タンクでの保管も容易にできるのです。
さらに、アメリカに余って溢れている遺伝子組み替えのトウモロコシが原料であるとすると、コストも身体への影響も容易に想像がつくでしょう。しかし、実際は食品表示にも果糖ブドウ糖液糖と表示してあるだけでそれが何から作られたものなのかは一切わかりません。
過去にニューヨークの市長であったブルムーバーグ氏は果糖ブドウ糖液糖が大量に含まれるコーラなどの大型ソーダの販売を禁止するソーダサイズ規制の条例をつくりましたが、食品メーカーが訴えを起こし『無効』となったことが話題になりました。 現在の食品メーカーは果糖ブドウ糖液糖が安全だと主張していますが、いずれ健康被害が増大し、社会問題となることは必至でしょう。
そのような果糖を大量に含んだ食品が身の回りに溢れていると想像してください。できれば冷蔵庫に入っている食品の表示を見てみるとその多さに驚くと思います。個人的には、時々コンビニの冷蔵庫がトウモロコシの山に見えてしまいます。ひとまず、食事制限云々よりも根本的に重要なことかと。。。