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なぜ銀歯?

食べ物の話ばかりしていますが、今回は久しぶりに歯の話をします。いちおう歯医者なので。
虫歯を見るといつも思うことがあります。

当院では、奥歯の歯の間にある小さな虫歯(C2)を治療する場合、可能であれば、歯を削る量を最小限にできるハイブリッドセラミックを直接接着します。接着だと強度が足りないほどの大きな虫歯の場合は、大きく削り、型をとって銀歯かセラミックで修復します。

銀歯として一般的に保険診療で使用されているのは金銀パラジウム合金(金パラ)です。
保険適応には他に銀合金とニッケルクロム合金があります。これらは粗悪過ぎてお話になりませんが、今だに使用している歯科医院もあるようです。

金パラは金12%、パラジウム20%とJIS規格で定められており、他は銀約50%、銅約15%、その他3%なので実は銀合金です。金パラの機械的性質は優れており金合金に匹敵しますが、歯科用合金は金、白金、パラジウムの貴金属が75%以上含まれていないと化学的に安定せず口の中で溶けだします。生物学的には安全ではありません。

金パラに含まれるパラジウムと銅は金属アレルギーを起こしやすいので、アメリカ、ヨーロッパなどではほとんど使われていません。金パラは金合金の安価な代用品として日本だけで使用される歯科用合金なのです。先進国では、口の中に銀歯が入っていると貧困層とみなされることもあるようです。ですので、不況とはいえ日本人の歯が金パラだらけなのは胸が痛みます。

診療していても『ここがセラミックなら綺麗で長持ちするのに。』と感じることも多々あります。
当院では、金パラ修復とセラミック修復では使う材料から1回あたりの治療時間も全く異なります。それだけ治療の精度に違いがあるということです。

実際、数年ごとに保険で治療し直して、その度に歯を削られている人も多いのではないでしょうか。そして、その行為が徐々に口の中を不健康に陥れているということをどのくらいの人が気づいているでしょうか?

費用が高いからできないとおっしゃる方もたくさんいます。しかし、その虫歯を作ってしまったのはなぜかよく考えてみてください。ですので、今以上に虫歯を増やさないという意思があれば、より正確できちんとした治療を受けられることをオススメします♪

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