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いい油?悪い油?

日本の植物油供給量(2013年) (単位:千トン)

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資料:農林水産省「油糧生産実績調査」、財務省「通関統計」

植物油の人体への影響は話題になることもありますが、なかなかその危険性は理解されていません。ちなみに第1位のキャノーラ(菜種)油はほとんどをカナダから輸入された菜種(遺伝子組み換え?)で賄われています。

植物油に含まれるオメガ6系脂肪酸であるリノール酸は体内でアラキドン酸という物質を合成し、炎症性物質に変化します。アラキドン酸は主に肉、卵、魚、母乳に含まれますがその量はわずかですが、植物油の多量摂取によりアラキドン酸が増え炎症性のホルモンが過剰に作られ、多くの病気を促進します。それらはリノール酸群過剰症といわれます。

リノール酸群過剰症

・ガン

・心臓・脳血管病

・アレルギー・炎症

・アトピー性皮膚炎などその他の炎症性疾患

・脳機能・行動変化

これらのリノール酸の影響を抑えてくれるのがオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸です。代表的なものでは青魚に多く含まれるDHAやEPAといったものがあります。食用油ではシソ油、エゴマ油、亜麻仁油などにα-リノレン酸は多く含まれています。しかし値段が高い、酸化しやすいため日持ちもせず、加熱調理に向かないといったデメリットがあります。もし使うならドレッシングの材料にするなど、火を使わない料理にたっぷり使うのがおすすめです。加熱調理をするのであれば魚油、バター、ラード(豚脂)などの動物性油の方が酸化しにくく安定していると言えます。昔は中華料理や揚げ物には植物油よりもラードを使用することが多かったようですし、沖縄県が世界最長寿を誇っていた頃もブタの食文化が盛んで脳血管障害も少なかったようです。

油の中で最も注意が必要なのがトランス脂肪酸です。マーガリンがこれに当たりますが、とても有害な脂肪酸です。マーガリンは19世紀中ばの1869年にフランスの化学者イッポリト・メージューリエによって考案されました。ナポレオン三世が戦争や革命をおこなったためにバター不足になり、その解消のために代替え品を募集し、マーガリンが生まれたのです。このマーガリン、現在ある食品のうち最も危険な食品のうちの一つです。デンマーク、オランダでは発売禁止、ドイツではトランス型と呼ばれる脂肪酸を含むマーガリンを製造が禁止されています。その他多くの先進国ではマーガリンは毒物として扱われています。なぜマーガリンがそれほどまでに危険な食品だと言われるのでしょう?

マーガリンの原料のひとつは自然に存在する脂肪酸です。しかしその製造過程で自然に存在する脂肪酸が、自然に存在しないタイプのトランス型脂肪酸に変化します。トランス型脂肪酸を材料に作られた細胞膜は非常にもろく、有害物質を簡単に通します。有害物質が細胞に入ると、心臓病、アレルギー、ガンなどの病気を引き起こしたり、悪化させる可能性を高めたりします。そのうえトランス型脂肪酸は、体外に出る時に大量のビタミン、ミネラルを消耗させる有害物質になります。つまり、マーガリンを食べることはプラスチックを食べるのに等しいと言えます。

1999年より花王から製造・販売されたエコナという植物性油(ココナッツ油)がありました。CMも放映され人気商品となりましたが、食用油で初の特定保健用食品に認められた同製品は、2009年に「発がん可能性成分が他の精製植物油より多く含まれている事態を認識配慮して」生産を中止・自主回収しています。

世の中は企業の利益追求により様々な根拠の無い効能・効果を人々に植え付けています。どれだけ研究者が正しいことを訴えようとも産業界は無視し続け、利益を産み出しているのです。つまり、人々の健康を害しながら儲けている人たちがたくさんいるということになります。重要なのは、一人一人(家庭では食事を作るお母さん)が正しいことをしっかりと理解して自分自身(家族)を守ることだと思います。本当の安全とはメディアや企業の宣伝にとらわれず、自分自身で考えて行動することでしか得られないものであると考えています。

油はもともと高価なものですから、安かろう悪かろうで健康を害するのは愚かなことだと思います。外食する際にはどんな油を使っているかシェフに聞いてみては聞いてみてはいかがでしょうか。そのお店のこだわりが見えるかも知れませんね。

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