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コレステロールについて

2月16日に次男が誕生しました!!

新生児は天使のようでとても感動しました。2人の子供の親になったことで生きる力がモリモリ湧いてきたのと同時に、何があってもこの子たちを守っていこうと強く決意しつつ、ついニヤけてしまう状態です。気持ちは変われど診療内容はさほど変わりませんが、これからもオーラルクリニック宮崎台をどうぞよろしくお願いします。

 

今回は、健康診断などでよく耳にするコレステロールですが、いったいどんな作用をするのかみなさんご存知でしょうか?僕は勉強するまで全く知りませんでしたし、低ければ低いほど健康だと勘違いしていました。

 

高コレステロールが原因といわれる病気に心筋梗塞と脳梗塞が挙げられます。血液内のコレステロールが血栓を作り、血管が詰まってしまうというのが一般的な見解です。『コレステロール値は低ければ低いほどよい』(日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版)と学会でも昔から変わらない見解を記しています。しかし、実際の所、脳梗塞についてはコレステロール値が高いほど、また飽和脂肪酸とコレステロールの摂取量が多いほど死亡率が低くなることが分かっています。心筋梗塞についてはそれほど明確ではなく、コレステロール値の高い方が心疾患死亡率が低いというデータもあれば、その逆のデータも多いため、未だ解明されてない所も多いのが現状です。名古屋市立大学名誉教授の奥山氏によると、データの誤差を『家族性高コレステロール血症』の割合で生じていることを説明しても、日本動脈硬化学会はこの問題に触れないようにしているとのことです。

 

コレステロールは細胞膜の構造や維持に必要で、胆汁酸の産生も助け、ビタミンA D E Kなど脂溶性ビタミンの代謝にも重要な役割を果たしています。またそれ以外にもステロイドホルモン(副腎皮質ホルモンや性ホルモン)の合成のための主要な前駆体です。コレステロールは脳や神経にも多く含まれ、原形質膜で脂質輸送の役割も果たし、神経信号を伝達するのに非常に重要な物質です。

 

またコレステロールには悪玉(LDL)と善玉(HDL)があります。以前は『コレステロール悪玉仮説』がありました。これは薬を売りたい医薬業界が大宣伝をして多くの医師・保健師・栄養士に浸透していきました。しかし、奥山らによると、その仮説に基づく栄養を長く続けると、むしろ心臓病が増え、ガンが増え不慮死(自殺や事故死)が増え総死亡率が上がると指摘しています。従って、その量よりもバランスが大切なことが明らかになっています。

 

コレステロールが高すぎると癌の発生率が高くなるという報告があります。また高コレステロール血症になると末梢組織のLDLコレステロール受容体機能を阻害し、結果として脂質の代謝異常が生じることもあります。

 

本当にコレステロールが高いことが病気の原因になるのでしょうか?興味深いデータがあります。沖縄が長寿日本一を誇っていたのは、10年前ですが、現在では男性において順位がだいぶ落ちて来ています。以前ではラードを食用油として使用していましたが、現在はどこでも手に入れられるキャノーラ油(菜種油)が一般的です。コレステロールを下げて健康になるための油を使用するようになってから寿命が短縮しているわけです。食生活の全体の変化も考えられますが最も変化したものが食用油であることは明確です。

 

2014年人間ドック学会は、血圧やBMI指数、コレステロールの基準値を大幅に修正しています。コレステロールは、男性254 mg/dlまで、女性は280 mg/dlまでを基準値(正常値)としました。以前はメバロチンというコレステロールを下げる薬が発売されると同時に、基準値が220mg/dlに引き下げられ、半分以上の中高年を異常値とし、薬を飲ませて利益を得ていたようです。しかし基準値が改正されたことにより、製薬会社から研究費という名目でワイロを受け取っている御用学者が、薬を沢山売りたい製薬会社と結託したウソの数々が、少し改善されるようです。

 

近年になっても、肥満予防でコレステロール量をコントロールするよう指導する残念な人たちもたくさんいますが、逆に下げすぎることもうつ病やがん、神経ホルモンの関係する病気への関連も明らかになっています。つまり、コレステロールは身体にとってとても大切な物質なのです。結論としては、コレステロールはさほど気にする必要はないということになります。しかし、栄養は摂り過ぎも不足も疾病を引き起こす原因となりますのでバランスのとれた食事を腹八分で摂取することが一番大切なのです。

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