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唾液と重曹

今回はとっておきの予防法を教えちゃいます!

美味しいものを想像したり、かわいい女の子を見たりするとたくさん出てくるものがあります。そう、唾液ですね。唾液はプラークを洗い流したり、ミュータンス菌が産生する酸を中和させることで歯を虫歯から守っています。いわゆる唾液の緩衝能です。もちろん唾液の作用はそれだけではなく、歯の再石灰化を促したり、食べ物の消化を助けたり、粘膜を感染から保護したりしますが、虫歯予防に重要なのはこの緩衝作用と再石灰化です。

唾液の中で酸を中和するのは、重炭酸イオン(HCO3-)です。酸を中和して水と二酸化炭素に変化します。

化学式では

H+(酸) + HCO3-(重炭酸イオン) →  H2O(水) + CO2(二酸化炭素)

となります。

重炭酸イオンは耳下腺唾液に含まれています。そのためよく噛めば噛むほど唾液がよく出て重炭酸イオンが増え、虫歯の抑制効果が高くなるのです。これは、食後にガムを噛むことによって唾液をたくさん出し、口腔内のpHの緩衝作用を促すことにも応用されています。しかし、唾液だけで虫歯を予防できるわけではありません。

もちろん最も予防効果が高いのは糖類を摂取しないことなのですが…

口の中をアルカリ性の環境に保つことはとても重要です。これは身体にとっても同じことです。身体が劣化する原因は酸化するからです。

重曹はNaHCO3ですので、水に溶かすと

NaHCO3(重曹) → Na+(ナトリウムイオン) + HCO3-(重炭酸イオン)

となります。

つまり、重曹水でうがいをすることで、唾液の緩衝作用を簡単に行うことができるというわけです。しかもより確実にアルカリ性にもっていくことができます。

ということは細菌が産生する酸を簡単に中和することができ、虫歯の進行を止めることができるのです。そして、酸で脱灰する時間がなくなれば唾液中のカルシウムによる歯の再石灰化を促すことができます。今までフッ素やキシリトールなどで再石灰化を促すという宣伝が謳われて来ましたが、再石灰化を行うのは唾液であり、当然唾液の分泌量が少なければ虫歯ができやすくなるのです。ヒトの身体ってとてもうまく出来ていますね。

従って当院では象牙質に広がるような大きな虫歯は削って治療しますが、エナメル質に留まる小さな虫歯はほとんど歯を削りません。

ほとんどの場合重曹によるうがいを指導するだけで、あとはプラークコントロールと糖類のコントロールを指示して定期的なチェックを行います。

では重曹うがいのやり方をお教えします。コップ1杯(100ml)なら小さじ1/4くらい、500mlなら小さじ1杯くらいの重曹をよくかき混ぜて水に溶かします。それでブラッシング後にクチュクチュうがいするだけ!簡単!!

一応、論文も見つけたので良かったらどうぞ。どうやらアルギニン(アミノ酸の一種)と混ぜたもの方がプラークの中までpHを下げるとのことですが、ブラッシング後である程度プラークを除去するため、重曹のみでいいと考えています。

Dental plaque pH recovery effect of arginine bicarbonate rinse in vivo.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23509832

 

いろんな方に試していただいたところ、知覚過敏にも絶大な効果を発揮しているようです。なぜかはよくわからないのであくまで自己責任でお願いします。飲み込んでもナトリウムなので子供でも安心ですね。

ちなみにBAKING SODAつまりベーキングパウダーは澱粉と重曹と酸性剤を混ぜたものでなので純粋なものではありません。あまり差はないと思われますが、一応当院がおすすめしているのは天然の重曹です。クリニックにも置く予定なのでお尋ねください。

歯は削った瞬間から脆くなり、2次的な虫歯のリスクも高めてしまいます。ですから削らないことが一番大事です。当然、きれいな歯並びと、機能的な噛み合わせ、バランスのとれた栄養管理ありきの健康ですが…

これができればみなさんも虫歯になることなく嫌な治療での歯医者通いともオサラバできるのではないでしょうか?(メンテは必要です。)それによって幸せになる人も増えるし、雑な歯科治療も減らせますし、医療費の削減で節税にもなっていいことづくめですよね?歯科医にとっては良くないことなのかもしれませんけど♪

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