子供の予防歯科③
引き続き、第3段です。
今回は栄養と免疫のお話です。
子供の健全な成長にはいったいどのような栄養が必要なのでしょうか?学校給食は栄養が管理された食事でしょうか?簡単な冷凍食品は栄養豊富でしょうか?野菜をたくさん食べるとよいのでしょうか?牛乳をたくさん飲めば?食品添加物は?本気でそのようなことを考えた親はいったいどのくらいいるのでしょう?
子供にたくさん食べさせたいのは親心として理解できますが、白米やパンやスナック類を食べさせたところで、それらの食品には骨格の成長や身体機能の維持に必要なビタミンやミネラルやタンパク質はほとんど入っていません。それどころか免疫反応に悪影響を与えてしまうのです。子供が健やかに成長し、十分な免疫を獲得するためには何が必要でしょうか?
それは、実は妊娠前から始まっているのです。
前回お話した、今から80年も前に近代文明と接触していない先住民を調査されたプライス博士は次のようなことを見出しました。
多くの先住民族では、強い子供を生むために妊娠する6ヶ月前から両親に特別な栄養を摂らせ、生殖機能を高めていたのです。そして妊娠中、授乳中も母体は特別な栄養を摂り続けます。そうした親から生まれた子供は歯列不正も認められず、むし歯も数%しかありません。それどころか、病気にもなりにくく、アレルギーなんかもありませんし、障害を持った子供もほとんどいなかったそうです。そして次の子供を生むために、両親は2年半〜4年の間隔を空けなければなりません。なぜなら、体内に十分な栄養が蓄積され、良好な生殖機能を回復させることが目的でした。これは近代社会における無計画で無秩序な出産と好対照をなしています。
以上の事実は生殖機能の低下した高齢出産で、障害を持つ子供の確率が上がることにも説明がつくでしょう。実際、血液検査をしてみると、栄養が足りていない人がほとんどですし、特に女性でその傾向が高いように感じています。
そもそも先住民が食べているモノ自体が、自然のものなので、現在の食品とは比べ物にならないほど栄養が豊富なわけですが、その中でも特別な食事とは、現代では手に入らないような良質なミルクであったり、動物の内臓や魚の卵などビタミンや鉄・亜鉛などのミネラルがとりわけ多く含まれる食品のことを指しています。
そういった民族からすると、今や当たり前になっている歯列不正は奇形と言えます。現代において、正常な美しい歯並びをした人ってそんなにいないですよね?つまり発育的にはだいたい奇形なんです。こんなに昔から警告されているのに、なぜ現在では無視され続けているのでしょうか?それは、様々な産業や、社会の仕組みで嘘の情報が溢れ、テレビで洗脳され続けた結果ではないでしょうか?
妊娠中も砂糖中毒を継続し、食品添加物まみれのジャンクフードや加工食品を食べ続けておいて、子供がアレルギー体質だのアトピーだの歯並びが悪いだのむし歯になりやすいだの…そりゃそうだ!!って強く思ってしまいます。
予防歯科という観点から考えると、大それたことのように聞こえるかもしれません。しかし、口腔は体の一部であり、子供の真の健康は、妊娠前の両親の栄養状態で決まっているのですから、子供が病気がちなのも、元気なのも、歯並びが良いも悪いも親次第ということです。無知って本当に罪深いですね。ですから、僕は、妊娠前にきちんと血液検査をおこない、栄養状態を確認し、適切な食事やサプリメントで生殖機能を整え、その後も食事に注意を払ってあげることが、親として子供にできる最も大きなプレゼントだと考えています。
では、次回はもう生まれてる子供には何を食べさせたらいいのか?です。