子供の予防歯科④
このシリーズ、たいぶ長くなってしまいましたが、懲りずにもう少しお付き合い頂きたいと思います。
食事とは、ファスティングしてる人か兵糧攻めに遭っている人以外は毎日必ず行うものであり、身体の礎となるものであり、生きる喜びです。食事を疎かにすることは、なんとももったいないことであり、健康を損ない、病気に向かって転がり落ちていくということなのです。そして、食卓は子供の躾だったり、親子間のコミュニケーションだったり、子供の精神面にもとても重大な影響を与えます。
では、子供の健やかな成長のためにはどのようなものを食べれは良いのでしょうか?
僕は、「自然なもの」をなるべくそのまま食べるということをオススメしています。自然なものとは、自然農の野菜や果物、玄米、全粒穀物、グラスフェッドの食肉、ジビエなどの山肉、汚染されていない魚介類、平飼いの卵、昔ながらの製法で作っている調味料や発酵食品などたくさんあります。
一方、「不自然なもの」(遺伝子組み換え作物、食品添加物、加工食品、砂糖、牛乳、F1種の野菜、抗生剤やホルモン剤を投与されている食用肉、植物油など)を避けるということも説明しています。(詳しくは過去のブログを参照してください。)
もちろん昔の人々は、上に示したような「自然なもの」を全て手に入れて食べることはできなかったでしょう。しかし、その土地の風土に合った食べ物はどこにも必ずあります。そういった自然なモノには、現在の食品と比べ物にならないほどの高い栄養価が含まれています。野菜の栄養価はこの半世紀で半分になったとも言われていますので、昔の人々は自然のままを食べることによってむし歯や病気にならない健康な身体を維持してきたのです。
しかし戦後以降、日本に西洋食(パンや牛乳、砂糖菓子など)が入ってきて、食の多様性が広がっていきました。そして人口の増加も相まって、様々な食品が大量に生産されるようになったのです。結果、手間と費用のかかる自然農や酪農や調味料などの製造は次第に消えていき、これらの価格は高騰し、今に至っています。そういった自然な食品はスーパーでもたまに見かける程度です。ですので、インターネットを利用して手に入れるようにしています。一方、大量生産が食品の主流となり、企業は利益を追求してきました。コストの低い遺伝子組み換え作物をどんどん加工し、食品添加物で味や色を整え、トランス脂肪酸や混ぜ物だらけの植物油で調理する。それらをパッキングしたものが、今や当たり前に鎮座している加工食品なのです。
そう言えば、ニューヨーク市に続いてアメリカ全体でトランス脂肪酸が禁止になるのに日本はどうなっているんでしょう?日本にトランス脂肪酸を持ち込んだアメリカ自身が禁止しているのに。何か大きな利権が反対でもしているのでしょうか?
ともあれ、世の中は今や「不自然なもの」で溢れかえっています。添加物と砂糖がたっぷり入っている外食産業はもはや避けることのできないものであり、僕も外食するときは妥協しまくっています。しかし、なるべくチェーン店やファミレスは避け、オーダーもオーガニックなもの、刺し身やホルモン刺し、発酵食品やシンプルな焼き物、煮物など、なるべく混ざり物の少ないモノを選ぶようにしています。そして、食材にこだわっているようなレストランを探して行くようにもしています。そういったレストランに行くということは、応援するという意味でもお互いにメリットがあるからです。自然農の野菜やグラスフェッドやジビエなどの食肉は確かに値段も高いです。毎日食べるものであるゆえ、無理せず続けられる範囲で購入しています。こういった食品が身体に蓄積されていくことを考えると、子供にどんな教育を受けさせるよりも、食を見直すことの重要性をより多くのヒトに理解してもらいたいと思います。
このようなことを実践してみんなで行動していかなければ、「自然なモノ」はより手に入りにくくなるし、いつまでたっても良いモノの値段も下がらないし、企業の食の支配から逃れられなくなるでしょう。そして身体は退化し、歯列不正やむし歯、さらには病弱な子どもや障害を持つ子供も増加していくでしょう。結果として、砂糖や加工食品の中毒者続出で、生涯にわたり毒を摂取し続けるジャンキーだらけの世の中の出来上がりです。その恩恵に預かるのは、食品メーカーや飲料メーカー、医者や歯医者や製薬会社といったところでしょうか?
かなり脱線してしまいましたが、「不自然なもの」を食べていると免疫の低下が生じ、奇形(歯列不正)、虫歯が増えるというわけです。これだけ歯医者が増えたのも、乱れた食が当たり前のものになっているからだと僕は考えています。自然なものが手に入らないなんて世も末ですね。
しかし、TPP参加が決まればもっと安価な「不自然なもの」で日本が溺れてしまいそうですね〜。いったい人類はどこへ向かっていくのでしょう?