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根管治療はやっちゃダメ!①

僕は日々、予防の重要性や健康である意義を患者様に説き続けているのですが、さほど健康には見えないのに自分は健康だと言い張る方を時々見かけます。もちろん、その人に対して「不健康ですね」とは言えないので、血液検査のデータであったりレントゲン所見を見ながら問題点を指摘します。殆どの場合、しっかり説明すれば理解を得られます。しかし、なかなか理解を得るのが難しいことがあります。それは「根管治療」です。

虫歯が進行することにより神経に感染が生じると神経を抜かなくてはなりません。神経を抜いた歯は血液の供給も絶たれてしまうため、もろくなってしまいます。そして、削る範囲が大きい場合、その歯は差し歯になります。運が良ければ、何事も無く経過しますが、術者の技量が未熟だと骨内に炎症が残ったり、差し歯が外れてきたり、根が割れたりします。

実際、歯科治療において最も差がでるのは根管治療だと思います。その理由は治療費からも見て取れます。

歯科治療費の国際比較というブログの記事からデータをお借りしてグラフ化しました。元の資料は東京医科歯科大学大学院医療経済学分野の川渕孝一先生の資料となります。

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このグラフは根管治療と金属冠(クラウン)の治療費の国際比較です。日本を含む7カ国平均の歯科治療費は根管治療「50,500円」、金属冠「75,836円」となりました。

日本の料金と比較すると、約8.5倍の格差があります。

もちろん日本にも素晴らしい治療をされる先生はたくさんいらっしゃいます。しかし、保険診療主体の薄利多売である日本の歯科治療において、世界レベルの根管治療を受けることはほぼ不可能です。

根管治療は回数もかかる上、保険で行う以上は非常に割に合わない治療です。ですので、真面目にやればやるほど赤字になってしまい、保険診療中心の先生が根管治療に対しあまり向上心を持たなくなるのも当然だと思います。

このような理由から保険で行う根管治療と、自由診療で行う根管治療では、金額だけでなく使用する器具から術式、薬剤まで全く異なるわけです。

しかし、保険で根管治療しても何の問題も出ずに何十年も使用できている患者様もいらっしゃいます。レントゲン的にも問題ありそうな根の治療にも関わらず、症状なくしっかり使えている人達を見ていると、一体何が正解で何が不正解なのかわからなくなったりします。

結果的にどうなるかはさておき、どのような結果を目指すのかによって保険診療も自由診療も選ぶことができたら良いと思います。当然知識がなければ、安価な保険診療しか選択肢はありません。ドクターの当たりハズレは自己責任となり、歯科選びがギャンブルのようなものになってしまうのです。

従って、日本の根管治療のレベルの低さはなるべくしてなったものであり、そのドクターをよく調べた上で治療を行わないと取り返しのつかないことも起こりうるワケです。このように不確かな根管治療をやらないための最もいい方法は、虫歯を作らないことです。予防って本当に大切ですね〜♫

しかし、根管治療をやってはいけない理由は、これだけではありません。根管治療を行った歯には、もっと重大な問題があるからです。これについては次回に続きます。

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