腸の神秘③
引き続き、腸のお話です。
人間本来の生き方を考えず、メディアなどに踊らされ続けているような人は、生活の中で常にストレスを蓄積するようになります。一方、脳天気で、お気楽でごきげんな毎日をおくっている人は、若々しく活力に溢れています。しかし、このご時世なかなかそうはいきませんね…
そして、そのストレスこそが腸内環境を乱す主な原因となります。腸は身体にストレスを受けた時、その不安を打ち消すためにセロトニンを分泌します。セロトニンが急に増えると腸の動きは活発になり、不規則な収縮を繰り返します。これは、身体が腸を守ろうとしている反応であり、下痢をしたり、便秘になったり、腸に傷みを感じたりするのも腸が脳に対しSOSを発信するようになるためです。
さらにストレスは、外部から受けるだけのものではありません。周りの環境から影響を受け体内で問題を作り出しています。その問題とは活性酸素です。活性酸素は便利な世の中であればあるほど増加してきます。排気ガスやタバコの煙、電化製品からの電磁波、放射能、紫外線の影響によっても腸の中で活性酸素が発生します。
食品にも活性酸素を発生させるものはたくさんあります。主に砂糖、アルコール、食品添加物、残留農薬、水道水の塩素などが挙げられます。とりわけ加工食品にはこれらが多く含まれています。活性酸素は全身の細胞を劣化させるものですが、体の免疫に重要な腸の細胞を劣化させてしまうとたちまち全身の健康に影響が出てくるわけです。ですから、食べるものにはひときわ注意が必要です。
食べ物には活性酸素を打ち消すものもあります。それはフィトケミカルと呼ばれる抗酸化物質を含む一部の植物です。なかでも注目されるのは、オリーブオイルです。上質のエキストラ・バージン・オリーブオイルには抗酸化作用を示すビタミンEやポリフェノール、オレイン酸が多く含まれています。しかし、熱して酸化させてしまうと意味がありませんし、そのオリーブがどのように育てられたのか、どんな方法でオイルを抽出したのか、どのような容器に入っているのかによっても抗酸化作用は変わってきます。そもそも、スーパーに置いてあるエキストラバージンオイルの8~9割は、精製加工された国際規格に合っていない偽物ですので、しっかり本物を見極めて購入するようにしましょう。
その他にはオメガ3脂肪酸を多く含むえごま油や亜麻仁油、しそ油、加熱調理もできるグリーンナッツオイルは抗酸化作用も強く、ビタミンCと一緒に摂取するとさらに効果は高まります。
そして、酸化ストレスの除去と合わせて行うべきなのは、腸内細菌を育てることです。そのためには腸内細菌のエサとなる食物繊維を含むもの、野菜、豆類、穀物などを使用した料理をしっかり食べましょう。さらに、良質の細菌を多く含み食品添加物を使用していない納豆、味噌、醤油などの発酵食品を積極的に食べましょう。こうした日本人にとって伝統的な食生活を実践することで、日本人は腸内細菌も増えて腸内環境が整い、心身ともに免疫力の高い状態を維持できるというわけです。
今月は腸のお話ばかりでしたが、世の中の親達にもぜひ腸の素晴らしさを知っていただき、自分の子供がなぜ風邪をひきやすいか?なぜ落ち着きがないのか?など、病院にかかる前に冷静に考えて、食生活などを見なおしてみる必要があるのではないでしょうか?子供の免疫を奪い、その病気を作っている張本人が親である可能性は大いにありますから。