舌の位置ですべてが変わる!!
普段、安静にしている時の舌の理想的な位置ってみなさんご存知でしょうか?
おそらく人によっていろいろ違いが出てくると思います。
舌が下顎の歯列にピッタリ収まっているヒトもいるでしょう。
一方、上下の歯をくいしばって舌を歯に押し付けているヒトもいると思います。
あるいは舌が口蓋にベチャッとくっついたままのヒトもいるかもしれません。
電車などでスマホを見ている人達は、みんな下を向いています。
この時ほとんどの場合でくいしばりを生じています。
ヒトはくいしばることによってストレスに対処しています。
それはくいしばると神経からβエンドルフィンという物質が分泌されるからです。
βエンドルフィンは脳内モルヒネとも呼ばれ鎮痛作用や幸福感をもたらします。
こんな良い物質ならどんどん出てほしいって思う方もいるでしょう。
しかし、このような物質が日常的に大量に分泌されているとヒトはどうしても依存してしまいます。依存してしまうと、それを得るためにますますくいしばったり歯ぎしりするようになってしまいます。
つまり、くいしばりや歯ぎしりなどの習癖は、βエンドルフィンを得るために行っている行為であり、依存症になっているのだと。
しかし、依存症になっているヒトもいるでしょうが、全員が依存症とは限りません。
考えられるのは、くいしばることでストレスに対処しているのであれば、よほど日頃からストレスがたまっているか、スマホを眺めているその姿勢がストレスなのか、その両方のどれかでしょう。
ですので、すぐに改善できるのは姿勢です。
そこで重要なのが舌の位置になります。
舌の理想的な位置は、口蓋にくっついている状態です。
その時の舌の先端は、上の前歯の付け根の近くにあるはずです。この位置をスポットといいます。
舌の先端がスポットに当ててにスマホを見るように下を向いてもほとんどのヒトはくいしばることはないでしょう。
しかし、舌を下の前歯に当てて下を向くとくいしばってしまいます。
(注:猫背になるとこれらは逆になります。それはそれで別の問題が生じます。)
つまり、舌の位置次第(厳密に言えば舌骨の位置)で姿勢によるくいしばりが変わるのです。
舌が口蓋にくっついている時は、モノを飲み込む時の動作に似ていて、喉の方を陰圧にして塞いでいるので、口で呼吸することができない状態です。
鼻がつまっているときは仕方ありませんが、動物はみな鼻呼吸です。
ですので舌を意識することで、それが習慣化すると、口呼吸から鼻呼吸への変容ができます。
そうすると、いろいろな変化が起こるでしょう。
風邪をひきにくくなったり、ぐっすり寝られるようになったり、視界が明るくなったり、体温が上がったり、食べ物の味が鮮明になったり、疲れにくくなったりと、いろんなメリットが得られるはずです。
特にこのような習慣付けは子供の方が改善しやすいですし、矯正治療と合わせて筋機能訓練(MFT)も行うことが多いです。
歯並びの悪い人の他、虫歯や歯周病のリスク・全身疾患のリスクの高い人の多くは口呼吸です。
だからこそ正常をよく理解して、異常に気づく必要があり、それは親や周囲の大人の責任です。
まずは自分自身が正常であることがとても重要です。
もし口呼吸のヒトがいたらぜひ試してもらいたいと思います。